2018年11月28日水曜日

作品:鹿鳴(篆書体)

鹿鳴と彫った角印
中国最古の詩集「詩経」の小雅編に鹿鳴の詩がある。それが賓客をもてなす際に歌われたことから賓客を迎える宴会。また、その宴会で歌われる歌のことを鹿鳴(ろくめい)というそうです。
まあ、私なんかだと鹿鳴と聞けば目黒のメタルバンドが多く出演していたライブハウス鹿鳴館が思い浮かびますが…😅

横2文字ってなんだか難しいです。バランス的には鳴くの口をもう少し下へ伸ばしても良かったかな… 字形的には鹿が普通なんだよなぁ〜 もうひと工夫すべきでした😩
気分転換にメタルでも聴くかな🎸

2018年11月20日火曜日

第22回全国印章技術大競技会

ものづくりは技術あってのもの。ハンコもお客様にご注文頂いて作るものづくり。技術なしでは作れないものなのです。
そんなわけで、全国印章技術大競技会です。先月の全国印章業協会全国大会を記念して開催されました。これまで、努力の甲斐あって最高賞を2度戴きましたので、もう出品はやめてもいいかなと悩んだのですが…
せっかく印章技術を一般の人にアピールする機会なのに、果たしてどれだけの人が競技会のことを知っているのか? そしてその競技会の出品数も減って来ているそう。
作品を出さずしてこんな記事も書けないし、ものづくりの灯は消してはいけない!と言うことで、今一度奮起して角印古印体の部に出品しました。

第22回全国印章技術大競技会金賞作品
作品がこちら
普段仕事で古印体を彫る事は多いですが、作品となると一筋縄ではいかず難しい作業でした。古印体の特徴である鋳だまり(墨だまり)や切れた部分は、各文字の重心や密度、印面全体のバランスを整えるよう自分の中でルールを持って加味していきましたが、それは篆書以上に作者の感性に 左右されるものでもあって、あらためて古印体の奥深さを思い知らされました。そしてまた面白さも感じました。


ハンコは実用品なので世間的にはそう思われていないのかもしれませんが、書道が書いて文字の美しさを表現するように、ハンコも小さな枠の中に彫刻して文字の美しさを表現するという芸術的な側面もあると思います(実用印なので篆刻のそれとは趣きが違いますが)。彫刻者の思いが詰まった作品を眺めていると、もっと世間に評価されてもいいのではと思ってしまいます。